染色体解析用固定細胞作製
試薬
- コルセミド溶液:ナカライ09356-74など
- 低張液:0.075M KClなど
- 固定液:メタノール:酢酸=3:1、用時調製
染色体標本作成
- 浮遊細胞の場合10ml程度の培地で、付着細胞の場合10cmのDishで継代後しばらく培養する。
- 対数増殖期の細胞に0.02μg/ml になるようにコルセミドを添加し、適当時間培養を継続する。(コルセミドは細胞周期をM期で止めるためコルセミド処理によりM期の細胞数が増えますが、処理時間が長いと染色体が縮んで解析ができなくなるため適当な時間を設定することが必要です。)
- コルセミド処理をした細胞浮遊液を15ml チューブに回収し、1200rpm で5分間遠心して細胞をあつめ、上清を捨てる。コルセミド処理時間に影響するので迅速に行う。付着細胞の場合はトリプシン処理後遠心して細胞を集め、上清を捨てる。以降の操作は無菌操作でなくて結構です。
- 細胞に少量の低張液を加え静かにピペッティングして細胞を分散させる。細胞が分散したらさらに1.5mlまで低張液を加え、ピペッティングにより再度細胞を分散させる。室温に20分間放置して低張処理をおこなう。
- 0.5mlの固定液を加え、撹拌後4℃で5分間静置。
- さらに1mlの固定液を加え、撹拌後4℃で5分間静置。
- 総量が10ml程度になるようにゆっくりと固定液を加え、撹拌する。
- 1200rpm で5分間遠心し上清をすて、新たな固定液を数的加えピペッティングにより細胞を分散させる。さらに10ml程度の固定液を加え全体を撹拌する。この作業をさらに2回行い完全に固定する。
- 固定が完了したらチューブを固定液で満たし、-20℃で保存。送付の際は冷蔵の宅配便で送付する。