ES細胞・iPS細胞の核型検査/染色体検査
継代や分化前後での染色体異常の解析を行います。ヒト及びマウスはマルチカラーFISHによる解析もしくはバンディングにより染色体異常の解析を行います。カニクイザルなど他の動物はGバンドもしくはQバンドによる解析を行います。ギムザ染色により染色体数の異常を解析する簡易核型解析も行っております。
マルチカラーFISHによる染色体解析
全染色体を別々の色に染色するマルチカラーFISH法により染色体転座や異数性を解析します(マルチカラーFISH解析はヒト、マウスおよびラットで可能です)。
ヒトリンパ球より作成した染色体標本でのマルチカラーFISH解析
すべての染色体を別々の色に染色することで、転座や異数性の解析が容易にできます。
ヒトリンパ球より作成した染色体標本でのマルチカラーFISH解析
トリソミー、テトラソミーや染色体融合が観察されました。融合染色体はM-FISH解析により5番と15番の融合染色体であることが確認されました。
ラット脾臓細胞由来染色体標本でのマルチカラーFISH解析
正常XYラットでM-FISH解析を行いました。ラットの場合は13番染色体と14番染色体の識別は染色体形状での判定となります。
Gバンド・Qバンド処理による染色体解析
ヒト、マウスおよびそれ以外の動物種由来のES細胞、iPS細胞のバンディング処理による染色体異常の検査を行います。染色体異常がある細胞では解析できない場合もあります。
ヒトiPS細胞Gバンド検査
カニクイザルES細胞Qバンド検査
コモンマーモセット細胞Qバンド検査
マウスiPS細胞Qバンド検査
DAPI染色による簡易核型検査(染色体数検査)
DAPI染色のみで主に染色体数の異常を解析します。50細胞の染色体数をカウントし、染色体数の分布をご報告いたします。
マウスES細胞の解析例
ご注文前にお読み下さい
- ES細胞およびiPS細胞を25Tフラスコでお送りいただきます。当社で継代はいたしませんので染色体標本作成時の条件検討分も含め4フラスコお送り下さい。大きいコロニーが少数ある状態ではなく,小さいコロニーがたくさんあるような状態にして下さい。梱包の際は保冷剤を使用せず緩衝剤のみでフラスコを包み発泡スチロールの箱に入れて冷蔵の宅配便でお送り下さい。なるべく翌日着便をご使用下さい。
- ヒトES細胞および機密性の高い細胞の場合は固定細胞の調製方法をご連絡いたしますので細胞を固定した後お送り下さい。
- 染色体標本作成後、ギムザ染色により50細胞分の染色体数をカウントいたします(簡易核型解析)。
- バンディング解析はGバンドもしくはQバンド処理後、染色体を撮影しカリオグラムを作成いたします。カリオグラム作成は1細胞につき5枚です。
- マルチカラーFISH解析はヒトおよびマウスにおいて可能です。複数のマルチカラー画像を取得した後、解析可能な5細胞について専用ソフトウエア(ライカ社製)を用いてカリオグラムの作成を行います。解析可能な細胞数は細胞の状態により異なります。
- 解析期間は簡易核型解析およびバンディング解析の場合2週間、マルチカラーFISH解析の場合約1.5ヶ月となります。